和太鼓は、縄文時代には既に情報伝達の手段として利用されていたといわれており、日本における太鼓の歴史は非常に古く、日本神話の天岩戸の場面でも桶を伏せて音を鳴らしたと伝えられています。長野県茅野市にある尖石遺跡では、皮を張って太鼓として使用されていたのではないかと推定される土器も出土しています。中世に入ると、田楽などの発達などによってお囃子太鼓が隆盛しました。戦国時代になると、戦国大名達が自軍の統率をとるために太鼓を利用した陣太鼓が興り、人間の心臓の鼓動に太鼓の鼓動が「シンクロ」することによって自らを鼓舞する性質があるという説もあり、戦における太鼓の使用はこの説に従えば有効な活用法であったと言えます。近年までは、時刻を知らせる為にも太鼓が使用されていました。
今日では、盆踊りの主役として演奏されたり、神と意思を伝達する手段、呪具として神社や寺院に置かれるなどしています。
長胴太鼓(宮太鼓)
長胴太鼓(ながどうだいこ)とは別名「宮太鼓」とも呼ばれ、社寺祭事などでは必ず見ることができる日本で一番ポピュラーな和太鼓です。よく盆踊りやお祭りの際に使われています。外見の特徴は胴の中央部がやや膨らんだ「ビヤ樽型」をしています。元々は、胴の部分は欅など重硬で木目が美しい丸太材を自然乾燥させたものをくり抜き、その両面になめした牛皮を張って鋲と言われる金具で固定し作られる太鼓ですが、大変高価であるため、昨今は欅に替わる丸太材を使用したり、製造方法も進歩しており、かなり安価で購入することも可能です。また、皮の面の大きさは1尺~2尺(1尺は約30cm)のものがよく用いられていて、大きなものになると6尺ほどのものもあります。なお、一般的に3尺以上のものを「大太鼓」と呼びます。
桶胴太鼓
縦に割られた板を寄せて円形にして胴をつ繰られ、低音、音響も大きい太鼓です。檜やサワラなどで胴が作られていて、比較的軽いのが特徴です。紐締めのものが主流です。
締太鼓
紐やボルトナット、ターンバックルで皮と胴を接着させ、張っている太鼓です。締め付け具合によって音質の調節が可能となっています。歌舞伎、民謡、三味線等に用いられたり、リズムを取るために利用されることが比較的多い太鼓です。
桴の材質は、樫や檜製のものがよく使用されています(しばしば竹で作られたものを使用する事も)。 ラワン、松、白樺等、脆いもの、ささくれるもの、脂がでて皮を痛めるものは、桴には適していません。
※本項はインターネット百科事典「ウィキペディア」を参照・抜粋しております。